小泉内閣メールマガジン 第86号 =========================== 2003/03/13

[らいおんはーと 〜 小泉総理のメッセージ]
● イラク問題の解決に向けた外交努力

小泉純一郎です。

 イラク問題の解決にむけて、国際社会のぎりぎりの努力がつづいています。

 米国、英国などは、国連安全保障理事会に新たな決議案を提出しました。
チリ、メキシコなどの安保理事会の非常任理事国は、米国、英国とフランス、
ドイツをつなぎとめる新しい決議案を考えています。

 「戦争か平和か」といえば、だれでも平和がよいに決まっています。私も
そう思います。しかし、問題は、イラクのサダム・フセインの独裁政権が国
際社会の平和に対する脅威になっていることなのです。

 13年前の1990年、イラクはクウェートを侵略して国際社会に糾弾さ
れました。イラクは持っている核兵器や炭疽菌、毒ガスなどの生物化学兵器
を廃棄することを約束して停戦が成立しました。しかし、イラクは、12年
間、国連との約束を破り17回の国連の決議を無視して、これらの兵器の廃
棄に協力してきませんでした。このイラクの大量破壊兵器が世界の平和に対
する重大な脅威になっているのです。

 この問題は、アメリカ対イラク、あるいはアメリカ対フランスの問題では
ありません。「全世界対大量破壊兵器を持っているイラク」の問題であるこ
とを忘れてはいけないと思います。

 イラクが査察に無条件かつ全面的に協力して、こういう兵器をただちに廃
棄すれば、平和のうちに事態を解決することができるのです。逆にイラクが
本気で協力せず、査察団に十分な情報を提出しなければ、いつまで査察をつ
づけても脅威はなくなりません。

 日本の立場は明確で一貫しています。国際社会が一致協力してイラクにこ
の恐ろしい兵器を即時廃棄することを求めていくことです。非核三原則を堅
持する日本として、そして、生物化学兵器に対してもっとも厳しい態度をと
り続けている我が国として当然です。

 そして、どんな場合であっても日本は一切武力行使はしない。これは明確
です。

 国連のもとで国際社会が一致協力できるよう、日本としてできる限りの努
力を続けています。私も、フランス、チリ、メキシコ、パキスタン、そして
アメリカの大統領と直接電話で会談しました。

 国際協調を図りながら日米同盟というものを大事にしていく、こういう立
場に立って、国際社会が結束して解決できるようにしていくために、日本独
自の外交努力を続けているところです。