2004年度 導入教育科目(演習)水島朝穂1年ゼミ 感想文

 本当に貴重な体験でした。

 発表2回を通じてした徹夜数は合計5回。もちろんその主な目的が班員間のコミュニケーションを図ることであることは忘れません。「未成年者の飲酒禁止は大学生には妥当しない」。世の中の核心を突いたスバラシイコトバです。徹夜中そのコトバを守る事に終始しました。お陰様で朝の井の頭線を1往復半するという貴重な体験をしました。誰も起こしてくれないなんて薄情な世の中です。

 ところで、私たち3班が初めて集合した時にまず決めた方針は、どうせやるならば「早稲田のゼミの歴史上最高のものにする」という事でした。

 「エホバの証人」では、それまでの2つの班が「講義形式」であったことに対し私たちは「討論形式」を採りました。どんなに自分達が深く調べ理解したとしても「発表」という形式である以上、聞き手の関心を喚起しなければどうしようもありません。その為にはこちらの解説に意味を持たせる必要があると考え、その結果が、原告側と被告側という対立する2つの意見をぶつけ合う「討論形式」となったのです。また、その解説に際しては班員がそれぞれの立場から「レジュメを見ずにお互いの意見を主張する」事を提案しました。レジュメを見ずに自分の意見を説得的に相手に解説するためには本当の意味で理解していなければならず、これは非常に重要な事だと考えました。さらに討論では、「裁判員制度」も意識した形を作り、90分間という時間に、「エホバの証人」と「裁判員制度」という同時に大きな2つの次元の意味を持たせることが出来たと思います。

 「男女平等問題」では、前回以上のことをやって初めて今回も大きな衝撃を与えることが出来るという事を班員全員が強く意識していました。そこでレジュメにも記した通り、@ 統計学的見地より信頼するに足る数字である400枚程度のアンケートの実施を敢行 A視覚効果に訴える事の意義の大きさから映像を導入 の二つを大きな柱としました。原宿で実際に世の中の人々はどの様に感じているのかを取材しました(ナンパではありません)。法務研究科の浅倉むつ子教授にジェンダーの視点から私たちのテーマを分析して頂きました(前日にも全く同じ事をお伺いしたのですが、マイクの電源が入っていないという無念なハプニングが発生した為あの映像は実はTAKE2です)。自分達のツテを使い、合計20大学で約400枚のアンケートを実施、その集計は地獄物語でした(5回目にしてようやく初めてコミュニケーション目的ではない徹夜をしました)。

 勉強をしていると時に人は孤独感に襲われるものです(個人的に発生しているパニック障害かもしれませんが)。そして現実から目を背けようとします(この前のテストでもこの考え方には大変お世話になりました)。 しかし今回の水島ゼミの発表では、特に私たち3班はそれぞれの長所を互いにぶつけ合い、短い間でしたが一つの目標に向かって5人が同じ時間を共有していました。現実の中を充実感に満ちて駆け抜けていました。振り返れば、このゼミに費やした時間は5人合計で何百時間にもなっていると思います。しかしそれだけの時間と情熱を傾けたからこそあれだけの量と質を誇るレジュメ(と多額の飲み代債務)が実現したものと確信しています。特に「男女平等問題」で、50枚を超えるレジュメに加え、DVDも作成した経験は生涯忘れる事は無いでしょう。

 2回目の発表終了後水島先生が仰った、「今まで教員をやってきた中でゼミ史上最高傑作の発表だった」という言葉。あの言葉で私たちの発表は会心のガッツポーズと共に真の意味で完結しました。

早稲田大学法学部1年生