沖縄の米軍基地問題をどう考えるか
――憲法研究者の立場から――
2012年9月27日/水島朝穂(早稲田大学法学学術院教授)
はじめに――沖縄の今を考える「モノ」語りから… (資料(12)参照)
1.NHKラジオ第一放送「新聞を読んで」で語った沖縄の基地問題
(1) 米軍ヘリ墜落事件の報道について――2004年9月12日放送分 (資料(1)参照)
(2) 普天間基地問題の報道について――2006年9月2日放送分 (資料(2)参照)
・沖縄と本土の報道の「温度差」(この言葉は要注意!)
・地元紙と全国紙(特に東京本社版と西部本社版(福岡)の扱いの比較)
・「首相動静」欄を使って小泉首相の対応を問う
(3) 拙著『時代を読む−ラジオ新聞を読んで1997-2008』柘植書房新社(資料(3))
2.ホームページ「直言」で沖縄基地問題を語って15年
(1) 名護市民投票(1997年12月)をメディアはどう伝えたか (資料(4)参照)
・住民投票条例の4択の狙いと「条件付き賛成派」に届く言葉を模索
(2) 九州・沖縄サミットと「サミットリカちゃん」 (資料(5)参照)
・プレスセンターの「おみやげ」問題
(3) 安保・外交問題と地方自治体 (資料(6)参照)
・「国の専管事項」論にからめ捕られない報道を
(4) 日本国憲法と沖縄問題 (資料(7)参照)
・「沖縄と憲法」と「オキナワと憲法」の視点
仲地博・水島朝穂編『オキナワと憲法』法律文化社 (資料(8))
(5) 「理解を求める(ご理解をいただく)」対象は誰か
・沖縄基地問題におけるベクトルの問題 (資料(9)参照)
(6) 怪しげなアルファベット略字とどう向き合うか
・HNS(接受国支援)と「思いやり予算」 (資料(10)参照)
(7) 「構造的差別」という視点――その1
・沖縄防衛局長発言(「非公式懇談会」での発言)をめぐって (資料(11)参照)
(8) 「構造的差別」という視点――その2 (資料(13)(14)参照)
・「オスプレイ」問題が炙りだしたもの――「全土基地方式」(安保条約6条)の現実
・日米安保体制の不条理と不合理――米軍地位協定
3.「全周トラブル状態」の日本の現状をどう診るか (資料(15)参照)
・ロシアとの北方領土問題(サンフランシスコ講和条約2条項)
・中国・台湾との尖閣諸島問題(「領土問題」とは何か)
・韓国との竹島(独島)問題(李承晩ライン[1952年1月18日])
・北朝鮮との拉致問題(日朝首脳会談10周年の9月がきたけれど…)
・米国との基地問題(「日米不安全保障条約」問題)
むすびにかえて
・“マジックワード”による思考停止
「温度差」「日米同盟」「抑止力」「負担軽減」…
・「地方は末端にあらず、先端なり」(山内徳信・水島朝穂『沖縄読谷村の挑戦』
岩波ブックレット (資料(16)参照)
【プロフィール】
1953年,東京都府中市生まれ。83年札幌学院大学法学部助教授,89年広島大学総合科学部助教授を経て,96年より現職。憲法,法政策論。法学博士。99年〜00年ボン大学で在外研究。憲法理論研究会代表(創設者・鈴木安蔵),全国憲法研究会運営委員,国際法律家協会理事等。単著『現代軍事法制の研究』日本評論社,『憲法「私」論』小学館,『18歳からはじめる憲法』法律文化社,『時代を読む』柘植書房新社,『この国は「国連の戦争」に参加するのか』高文研,『同時代への直言』同,『東日本大震災と憲法』(早稲田大学出版部)ほか。編著『憲法裁判の現場から考える』成文堂,『平和憲法の確保と新生』北海道大学出版会,『現代立憲主義の認識と実践』日本評論社,『長沼事件・平賀書簡』同,『ヒロシマと憲法』法律文化社,『オキナワと憲法』同, 『改憲論を診る』同,『世界の「有事法制」を診る』同ほか。共著『改憲は必要か』岩波新書,『有事法制批判』同,『沖縄・読谷村の挑戦』岩波ブックレット,『3.11と憲法』(日本評論社)ほか多数。NHKラジオ第1放送「新聞を読んで」レギュラー14年間(昨年番組終了)。ホームページ(「平和憲法のメッセージ」http://www.asaho.com/)1997年より15年間,毎週連続更新830回以上。