トップページの言葉は誰の挨拶か?
「人類の進化の歴史がDNAに刻まれているとすれば、人類の英知の歴史は憲法にこそ刻まれていると言うべきでしょう」。
26年前、この「平和憲法のメッセージ」を作成した最初の管理人の依頼で、トップページに短い文章を出すことになった。1995年9月、東京で開催された第4回国際憲法学会で来賓挨拶をした青島幸男・東京都知事の言葉を使うことにした。会場で挨拶を聞いて、とても印象に残ったのだが、政治家の言葉はその人物の評価と連動してしまうので、「ある挨拶の一節」という形で曖昧にしてきた。4分の1世紀以上が経過したので、ここに明らかにしておく。
「直言」第1回のテーマは「ペルー大使公邸人質事件」。原稿用紙1枚(400字)にも満たないものだった。以来26年9カ月、週1回(年平均52回)の更新を欠かさずに続けてきた(年別バックナンバー参照)。今年7月17日に連続更新1400回を迎えたが、その回の「直言」は6000字を超えていた。研究、教育、校務のみならず、さまざまな仕事と並行して、毎週5000字前後の原稿を書き下ろして、週明けにアップしている。これは私にとってすでに「習慣化」している。富士通が見捨てた親指シフトキーボードと予備の親指PCを複数台確保してあるので、あと10年は執筆を続けられるだろう(親指シフトの比較はここから)。2016年1月に連続更新1000回だったので、2000回は、82歳の誕生日を迎える2035年4月か5月になる予定である。もっとも、ホームページの週1回更新などというやり方は、その頃には、今の感覚でいえば「手書き瓦版」のような古めかしいものになっているかもしれない。だが、時代がどう変わろうと、私のこだわりとして、寿命が尽きるまで更新を続けたいと思っている。「平和憲法のメッセージ」の原点である「3つのL」(Licht光、Leben命、Liebe愛)とともに。
ホームページの維持・管理
ところで、有料のブログや会員制サイトが増えるなか、私のホームページは無償で提供し続け、維持・管理はすべて自費でやってきた。テクニカルな面が不得手な私にかわって、毎週末の更新作業を、1997年から2021年5月まで、12代の管理人にお願いしてきた。推敲担当のデスク役もいて、文章の細かなチェックもしてもらってきた。2021年6月から私自身が管理人となってからは、執筆と同時に、「直言」をアップする作業(html文書化)も自力で行なっている。なお、第4代管理人の藤井康博氏と第9代管理人の望月穂貴氏には、引き続きアドバイスをもらっている。これまでお世話になってきた管理人や推敲者の皆さまに対し、この機会にお礼申し上げたいと思う。
「わが歴史グッズ」の事情
私のホームページには、さまざまな「歴史グッズ」が登場する。研究費では買えない「やばいもの」も、基本は自腹で入手してきた。まさか研究費の費目に、銃剣だの、5インチ砲弾だの、対戦車地雷だの、軍用ヘルメットだのと書くわけにはいかないだろう。取引相手の安全上、即金でないと入手できない事情のグッズもある。だから「歴史グッズ」は、原則として自費で入手してきた。あるいは国内外から「直言」で使ってくださいとご提供いただいたものも多い。これらが私の研究室の「歴史グッズ」になっている。
ドイツ国旗とワイヤーがついている「ベルリンの壁」の断片は、ドイツ統一の6カ月後の1991年4月、ポツダム広場近くで、Bosch製ハンマードリルで「壁」を削っている黒ジャンパーの男と交渉して入手したものだ(冒頭右の写真は拙著『ベルリン・ヒロシマ通り』(中国新聞社、1994年)グラビア、書評はここから)。私がこの「証拠写真」を撮影する際、ノミで削るポーズをとる「演技料」を上乗せしてかなりとられた。私が住んでいた旧東ベルリンはあまり治安がよくなかったので、この頃入手した旧東ドイツ・ソ連関係の「グッズ」のなかには、現場での際どい「交渉」で入手したものも少なくない。
「平和憲法のメッセージ」の持続的発展のために――「ポスト水島朝穂」を見据えて
今週、10月6日から、現役教員としての最後の秋学期授業が始まる。半年後には私も年金生活者になる。あちこち取材し、レアものの「歴史グッズ」を入手することも、今まで通りとはいかなくなる。そこで、読者の皆さまにお願いをさせて頂きたい。これからも一定のクォリティを保った「直言」を毎週更新していくために、ご寄付をいただけないかということである。「平和憲法のメッセージ運営協力金」である。
なお、これは、水島朝穂がこの世にいなくなった後も担当者が引き継ぎ、ウェブサイト公開をネット上に継続するための運営費用としての意味ももっている。 読者の皆さまのご理解とご厚志をお願いできれば幸いです。
ご寄付のお願い
水島朝穂のホームページ「平和憲法のメッセージ」は1997年の開設以来、毎週「直言」を更新してきました。また、当ホームページでは、「ベルリンの壁」の破片をはじめとして、様々な「歴史グッズ」をご紹介してきました。
お寄せ頂いた寄付金は、「直言」執筆のための取材や「歴史グッズ」の入手のためだけでなく、水島朝穂なき後もこのホームページをネット上に維持し続けるための経費にも充てさせて頂きます。
ご協力いただける方は、お手数ですが水島までメールをお送り頂ければ幸いです。専用の振り込み口座をお知らせします。なお、領収書の郵送をご希望の方のみ、【領収書必要】と記載の上、送り先のご住所をお知らせ下さい。
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