樋口陽一・森 英樹・高見勝利・辻村みよ子 編著
『国家と自由 憲法学の可能性(日本評論社、2004年)

     

憲法状況のアクチュアルな関心をふまえつつ18名の憲法学者が21世紀憲法学の理論的 展望を探る。
注目の論文集。


1 「たたかう民主主義」と「脱道徳論的」自由観のはざま
 ――「近代立憲主義憲法学にとって自明」でないこと……樋口陽一
2 政府の憲法解釈と個別的自衛権……内野正幸
3 アメリカ憲法とニューディール再考……阪口正二郎
4 二つの立憲主義憲法学
 ――樋口陽一、長谷部恭男両教授の「憲法思想」を読む……愛敬浩二
5 『公正としての正義・再説』における格差原理の正当化……亀本 洋
6 文化的多様性の時代における「公教育の中立性」の意味
 ――イスラーム教徒の教師のスカーフ事件を中心として……渡辺康行
7 署名と主体……蟻川恒正
8 「市民」と「市民主権」の可能性・再論……辻村みよ子
9 「国民主権」「一般意思」と「特殊利益」
 ――フランスのおける「集権」と「代表」をめぐって……只野雅人
10 ヨーロッパ憲法制定権力……山元 一
11 「グローバル化」変動と憲法・憲法学……森 英樹
12 参議院のあり方・考……高見勝利
13 「新しい戦争」と国家
 ――U.K.プロイスのポスト「9.11」言説を中心に……水島朝穂
14 主権と平和
 ――インゲルボルク・マウス、そしてハーバーマス……毛利 透
15 制度伝説
 ――『自由と特権の距離』補遺……石川健治
16 国民国家の言語政策演習
 ――フランスにおける被周辺化言語の保護政策をめぐって……糠塚康江
17 〈国家による人権保護〉の道理と無理……西原博史
18 憲法学からみた生命倫理……長谷部恭男