日本を離れる前の直言を書いてから1年以上がたった。 「ドイツからの直言」も今回が最終回。外国で日本語の文章を書き続けるのは存外難 しい。それでも何とか更新を続け、緊急直言を含め55本になった(200字440枚) 。いつもご覧頂いている皆さんに、この機会にお礼を申し上げたい。さて、これから戻る 日本の状況は実に錯綜している。たった1年でも「浦島太郎」になりかねない。ドイ ツで三省堂『新六法』の仕事 をやったので、新法令はそのつど確認してきた。周辺事態法、通信傍受法、国旗・国 歌法、憲法調査会設置のための国会法改正等々。う~んと唸るものが多かった。ドイ ツでの仕事や人間関係もやっと軌道にのり、これからという時に帰るのは少々辛い。 ともかくも、基本法制定50周年と2000年の変わり目にボンに滞在してよかったと思 う。家族にとっても、よい思い出になった。「ライン川からシュプレー川へ」(Vom Rhein an die Spree)。ボンからベルリンへの議会・政府の移転にも立ち会えた。9年前に統一直後の状況をベルリン(東)で「定点観測」し、今度はベルリンの首都始動を、ボンから観察した。その最後にやってきたのが、「ドイツ統一の功労者」ヘルムート・コール前首相の事件。昨年11月9日にブッシュ元大統領とゴルバチョフ元大統領と共に演説したのが彼の絶頂だった。今年10月3日の統一10周年記念行事の時、主役となるはずだった彼はどこにいるだろうか。時代の変化を感じる。
なお、「新着情報」欄を休止していたので、滞在中に活字になっ たものを列挙しておく。
それでは、日本で「直言」を再開するまで、しばらくのお休みです。さようなら、ボン!
Auf Wiedersehen! Auf
Wiederschauen! Tschüß!